JW_CAD活用術2(断面図を描こう!)

(注)このページは長文です。ダイアルアップ接続では電話代がもったいないので、一旦文章とイメージを表示したら、電話を切った後でゆっくり読むことをおすすめします。
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 今回はJW_CADを使って、断面図を描く方法を解説します。
 境界確認書なんかによく使われる断面図ですが、このような簡単な図面をJW_CADで描きたいという人は多いようです。
 ここで取り上げている例は、実際に私が市道との境界確認に使ったものです。この程度の図面ならば、慣れれば1断面当たり10分程で描けるようになりますので、皆さんもぜひTRYしてみて下さい。
凡例
 {右}{左}は、それぞれマウスの右クリック、左クリックを意味します。
 {右2}{左2}は、同様にダブルクリックを意味します。
 []で囲まれた文字は画面左のコマンド及び画面上部のサブコマンドを意味します。
  [H]は、十字ツール(H)を意味し、
  [q→1]は、(入出力q)を選択後、(1ファイル)の選択を意味します。

例題では、左図のようなコンクリート擁壁の断面図を描きます。
擁壁の右側が市道で左側が民地(畑)となっています。
縮尺は1/50です。

01)基準の線を引く

 JW_CADを起動したら、まず画面左下の縮尺を"S=50"にします。変更は、数字の部分を{左}した後、キーボードから数値を入力します。
 次に左のように基準になる線を、交差するように[H]ツールで引きます。
基準線を元に、復線を引きますが、寸法を合わせて引く場合は、元になる線の上で{左}すると上図のように寸法(間隔)が入力できるようになります。
 例題に合わせて"160"とミリ単位で入力し、縦の基準より右側の位置で{左}します。
 同様に"35"、"410"で縦の復線を2本引きます。
 横の復線は、"360"、"450"です。
 一番下の線が短かったので、のばしてやります。
[T]で、線の伸縮したい方の端で{左}し、伸縮したい場所までマウスを動かして、{左}します。
 これで、基準となる線ができました。

02)輪郭を描く

 擁壁の右法面の線を引きます。
 [X]を選択し、天板の右端になる部分で{右}、道路との接地面で{右}すると、斜めの線が引けます。
 この時{右}するのは、縦横線の交点を始点・終点としてキャッチするためです。{左}で線を引くと、交点を捉えることができず、隙間が空いてしまいます。
 左法面も同様に描きます。
 ここで不要になった縦の基準線(右側の3本)を削除します。
 [D]を選び、消したい線の上で{右}します。間違って違う線を消した場合は、エスケープキーを押して下さい。
 次に、道路面の下に補助線を引きます。
 補助線は図面に出力したくないので、線種で「補助線」を選択します。
 画面左メニューの"PEN.XXX"の部分を{左}すると、線種選択のメニューに変わります。
 「補助線」を選ぶと「*(アスタリスク)」が付いて変更されます。

[F]で道路面と平行に復線を引きますが、特に寸法を指定せず、適当な位置で引きたい時は、対象線を{左}した後、数値入力せずに適当な位置で{左}します。
 左右の法面線を補助線まで[T]で伸縮します。
 幾つかの線を決まった位置まで伸縮する場合、基準となる線を{左2}して赤色反転の線にしてから、順次伸縮したい線を{左}すると、楽にできます。

 この時、ダブルクリックしたつもりでも、マウスを動かしながらしてしまうと下図のように丸い印が付いて、線切断のモードになってしまいます。
 これは、1本の線を分割したいときに使うモードなので、エスケープキーを押して取消し、もう一度やり直します。
 [T]で同様に接地面の道路側と民地側を伸縮し、境界線となる左側の縦線も適当な所まで縮めます。

 以上で、大体の輪郭が出来上がりました。

03)デコレーション

 道路面にハッチ // を入れるため、閉じた図形にします。右端の部分に[H]で縦線を入れます。
 線種は補助線にします。
 [x]ハッチツールを選択し、左図のようにハッチングしたい図形の辺を順番に{左}します。
 選択された線は赤色に変わるので、1→2→3→4→1というふうに、最初に選んだ線を最後にも選ぶようにします。
 [1 指示終了]で、ハッチの描画に移ります。
 例題では、上のように設定するときれいにハッチングができます。
 角度=45度、ピッチ=4.0mm 種類=2本線 線間隔=0.5mm
 [1 実行]すると、ハッチが描かれます。
 思うようなハッチが描けなかった場合は、ここでエスケープキーを押し、[1 同図形ハッチ追加]で設定モードに戻りますので、何度でも試すことができます。
 次に民地側の接地面は畑なので、デコボコした感じを出してやります。これは「拡張線種」のランダム線で描くことができます。
 拡張線種を使用するためには、JW_CADの起動オプションで、 -L を指定していなければなりません。 JWC.BAT を確認して、次のように太線部を追加して下さい。

JW_CAD -B600 -S300 -E1 -L %1(前後略)

 拡張線種が使える時は、ペン選択時にファンクションキー1〜8を押すことで、線種を変えられます。ここでは、f1でRnd.f1を選択します。
 [w]ツールを使い、畑の接地線上で{左}、線種をランダム線に変更します。
 画面上では、直線の表示になっていますが、プロッタ出力した際に手書き風の線が描かれます。
 デコレーションの仕上げに、擁壁断面にポチポチを描いてやります。
 [v]で点を描きますが、起動時には「仮点モード」になっていますので、[1]で実点モードに変えることを忘れないで下さい。仮点だと図面に出力されません。
 ポチを描くときのコツは、あまり多く打たないようにする方が「らしく」見える事です。
 勾配の数字を入れる所も開けておきます。

04)文字を入れる

 左側の法面上に勾配の数値を記入します。
 ここは線の傾きに合わせて文字を入れたいので、[A→3]で角度指定をします。
 [f・1マウス角度]を指定、左肩の部分を{右}すると図のような赤い円弧が現れます。
 これは角度指定のための円弧なので、接地面との交点で{右}します。
 文字の基点は「中下」で、下との間隔を0.5mm空ける設定にします。
 また、線上の中間点に文字を書くため、98では「GRPH」キー、DOS/Vでは「ALT」キーを押しながら、法面線を{左}します。
 入力モードに入ったら、"1:0.1"と入力して、リターンキーを押します。
 これで、線に沿った文字が書けました。
 後は、必要な文字を書き込み、仕上げをします。
 ←(矢印)は[S寸法]ツールで描けます。
 出来上がりの拡大図はここをクリックして下さい

05)図化機への出力

 完成したら、いよいよ印刷です。 ですが、ちょっと待って下さい。
 JW_CADの-Lオプションは、プロッタのみの対応となっておりプリンタには出力できないのです。
 また、プリンタに出力すると、図上の斜めの線などもギザギザになったりします。
 これでは、せっかく格好良く作った図面の美しさも半減してしまいますね。そこで、HPGLPの出番です。
 HPGLPは、プロッタ出力をシミュレーションするソフトで、JW_CADで描いた図面を(プロッタ並みにとはいかないまでも)、プリンタの解像度に応じて美しく印刷してくれます。
 HPGLPを使いこなすための設定は、少々難しいものがありますが、HPGLP付属のドキュメントに詳しく設定方法が解説されています。
 HPGLPは本の付録等についているかもしれませんが、ニフティサーブの「建築フォーラム」にもあります。是非、活用してプリンタでも美しい印刷を楽しんで下さい。
 (NECのPC-PR系や一部メーカーのページプリンタでは標準でプロッタ出力がサポートされています。JW_CADをインストールするときに表示されるプロッタ一覧に名前が出ていれば、使えるはずです)