チェコスロバキアが生んだ至高の二眼レフ、それがフレクサレットである。フレクサレットの生い立ち、歴史については是非、中山慶太氏の「東京レトロフォーカス」をご一読いただきたい。 歴史に翻弄されつつ進化を遂げてきたフレクサレットの6型はいろんな意味で最終形と言える。 二眼レフといえばデファクトスタンダードとばかりに真っ黒な張り革に身を包んだカメラがほとんどだが、フレクサレットのグレーのボディは眩いばかりの異彩を放っている。 ちなみに製造元のMeoptaのCamera Historieを見ると5型まではブラックボディであったようである。また、6型にもブラック仕様があり、レアアイテムとされている。 このカメラの何よりも凄いのは、40年間のカメラとは思えない描写力である。 ベラー3.5/80mmレンズの描写と機能美に惹かれてフレクサレットの虜となってしまった。 |
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振り子状のピントレバーはお飾りではない。 ノブに指を引っ掛けてするピント調節の操作性は格別である。 プレートには被写界深度が刻まれており、機能を重視したデザインに感動すら覚える。 |
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シャッタースピードはB,1,2,5,10,25,50,100,200,400。 125,250,500といったスピードに慣れていると最初は戸惑うが、すぐに慣れるものである。 レバーは操作しやすい大きさである。 |
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絞りは3.5〜22。絞り調節レバーはシャッタースピードに比べると小さくて操作しにくい。絞り優先の操作を意識しての設計であろうか。 赤いボタンはセルフタイマーのレバー。セルフタイマーも40年の時を経た今でも快調に動作する。 |
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ファインダー部前面、Meoptaのロゴを持ち上げるとスポーツファインダーになる。この辺は一般的な二眼レフと同じであるが、Meoptaの周りの黒い枠の部分だけを戻してやると、35mmフィルム用の縦長のスポーツファインダーになる。 これは、オプションの35mm用アダプタを使用ことで有効となる。 二眼レフで35ミリフィルムを使うのは反則のような気もするが、フレクサレットでは後述するように35ミリ使用を意識した設計がなされている。 |
ギャラリー:Flexaret IV で撮影した写真